■□■コラム■□■

アレンジは想像力 (2/2) 竹部隆司

〜本物を見る目〜

多くのゲームは、アレンジで作られた物が多いと思うんです。元々在った小説や映画やゲームなどをアレンジした物に過ぎない。元にした小説や映画やゲームも現実世界のアレンジな訳ですから、再アレンジ、再々アレンジですね。 その結果、元になったものを中々超えられない。

では、突き抜けたゲームを作る為にはどうしたらいいのか。それは、”本物を見て、心を養う”ということが重要になると思います。

例えば映画で言うと、予備知識なく見て面白いと感じるのと、作品の舞台である街や建物を知っていたり、ストーリーのベースとなる文化的背景を理解していて見るのとでは、作品の面白さが段違いに感じられるでしょう。

私自身、ちゃんと見てそれを理解出来る”鑑賞者”でありたいと常に思っています。実際、楽器の演奏は出来ませんし歌手のように歌えるわけでもない、絵も描けない。でも音楽も絵も好きです。小説を読んだり、美術館やコンサートにも行きます。オリジナルを知っているのと知らないのとでは、その差がとても大きいと思うんです。

オリジナルを沢山見て、感じて、理解して、引出しの数が多くなると、何か困った時にそこから取り出して、巧く組み合わせてアレンジする事が出来るようになる。

知識は”量”であり、知恵は”質”だと思います。しかし、量のないところから質は生まれない。沢山の知識の中から組み合わせ加工すると、それは立派な”想像性”になると思うんです。

〜リアルな感覚〜

面接で若い人と話すと、何で知ってるんだ?と思うような知識があって驚かされる事があります。ただ、突っ込んで聞いてみると、なかなか良いリアクションが得られない。どうも、すでに誰かが整理・加工した情報を読んだり聞いたりして、理解した気になっている場合が多い気がします。

例えば恐竜を題材にしたゲームを作るとしましょう。最近は、映画やテレビ番組のDVDなど沢山あり、資料集めには困らなくなりました。しかし、そこでゲームを作り始めた場合と、博物館まで行ってリアルな化石を目の当たりにして、その大きさを体感した場合とでは、 恐竜の吠え声や追われた時の恐怖を想像するのに、大きな隔たりが生まれると思うんです。

これからこの業界を目指す人や今の若いエンジニアには、既に加工され出来上がった物だけ見るだけではなく、本来のオリジナルはどうなっていたのか?という所まで追いかける貪欲さや、実際に見に行く行動力を持って欲しいですね。

本物を見た時の驚きや感動がゲーム作りに反映されれば、より良い物が作れるんじゃないかと思っています。

自分が興味あるものは、どんどん掘り下げて見てみて欲しいですね。私もそうですが、人間死ぬまで勉強です。

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